[]野町和嘉写真展 「イスラーム巡礼」 29日まで
野町和嘉写真展 「イスラーム巡礼」
10月29日(日) 午前10時〜7時30分
吉祥寺美術館 吉祥寺駅北口 伊勢丹百貨店7F
100円 (但し、小学生以下・65歳以上・障害者は無料)
国際的な写真家としてキャリアを積んできた野町和嘉というプロカメラマンがいる。「のまち・かずよし」と読む。チベットやエチオピア、アンデスなど訪問するだけで困難かつ過酷な世界各地をめぐり、厳しい自然の中で生きる人々の暮らしを、主に信仰生活をライトモチーフにして撮り続けている。20代半ばでサハラ砂漠を訪れ、過酷な風土を生きる人間に魅せられたことがきっかけとなったという。
その彼がサウディアラビアからイスラームの聖地「メッカ」の撮影したものが今回、吉祥寺で展覧されている。広くイスラーム圏を歩いてきた野町といえど、異教徒が立ち入ることができない聖地メッカ。ここに入るためにはイスラム教に改宗しなければならない。彼はイスラム教徒となり、以来2000年まで取材を続けたのであった。イスラム教徒が一生に一度は行うべきだとされているメッカ大巡礼、ハッジ。この全貌を撮影することはそう簡単なことではない。
今回の写真展では、彼がこうして記録した「メッカ巡礼」と、その後に撮影したイラクのシーア派の生活、特に独特の「イマーム廟巡礼」というイスラーム教のふたつの「祈り」を対比させて展示している。イスラム教徒の生活はまず、ほとんど対外的に知られる機会が少ない。そういう意味では稀有の機会であるのでぜひごらんいただきたいと思う。
10月25日の水曜のみ休みとなるが、29日の最終日まで展示されている。
野町和嘉 略歴
1946年、高知県に生まれる。
1969年 写真家・杵島隆氏に師事。
1971年 フリーに。
1972年 初めてサハラ砂漠へ。その魅力にとりつかれる。
1983年 LIFE誌のナイル記事により、米国報道写真家協会年度賞雑誌部門銀賞受賞。
1984年「バハル」、「サハラ悠遠」により第3回土門拳賞受賞。
1990年「長征夢現」、「ナイル」により、平成元年度芸術選奨文部大臣新人賞、日本写真協会年度賞を受賞。
1995年 サウディアラビアからの依頼により、イスラームの二大聖地、メッカ、メディナの撮影開始。
1998年 写真展「サハラ・チベット」を高知県立美術館にて開催。
1999年 NHKスペシャル「イスラム潮流」のためメッカ大巡礼を取材。
2003〜2004年 写真展「祈りの大地」を平塚市美術館、東京都写真美術館にて開催。
2006年よんでん芸術文化賞、第5回飯田市藤本四八写真文化賞受賞。
ライラトル・カドルの礼拝/メッカ/サウディアラビア 1995年
シェイフ・ロトゥフォッラー・モスク/イラン 2001年
イマーム・ホセイン殉教を嘆く女性/イラン 2001年
メッカ巡礼の祈り/サウディアラビア 1999年
カアバ神殿を巡るタワーフの行/サウディアラビア 1996年