[]12月11日 天満敦子 クリスマス・コンサート

ea66cf04.bmp ここ吉祥寺がある武蔵野市が作った最大のホール、武蔵野市民文化会館大ホール。車いす席も備え、軽く1200人を収容できる大きなホールであり、オペラ、バレエなども上演される。市が設立した武蔵野文化事業団が1Fに入居しており、年間通じて非常に多くのコンサートを開催している。この事業団主催コンサートは概してチケット料金が安いので武蔵野市民は格安のコンサートが潤沢に供給されることに慣れきっており、それゆえ武蔵野市で高価なチケット料金のコンサートを開催することは厳しい面がある。



 日本のベテランバイオリニスト、天満敦子さんが来月、ここでクリスマス・コンサートを開催する。主催はカトリック吉祥寺教会。それゆえ同教会の聖歌隊が合唱で加わる予定。

 

 かつてはまるで知られていなかったルーマニアの薄幸の天才作曲家、ポルムベスクの「望郷のバラード」も演奏予定。この曲を日本に紹介したのも天満敦子であり、彼女の代名詞的な楽曲として今も演奏されている。



 天満敦子 クリスマス・コンサート

 12月11日 火曜 18時30分 

 3大アヴェ・マリアシューベルト、グノー、カッチーニ

 武蔵野市民文化会館

 吉祥寺駅三鷹駅武蔵境駅保谷駅西武柳沢駅武蔵関駅などから関東バス

 三鷹駅から歩いて15分。

 武蔵野市中町3ー9ー11  電話:0422−54−8822



 チケット代 3000円

 バイオリン: 天満敦子

 ピアノ:   勝呂真也

 吉祥寺教会聖歌隊(指揮者、三枝久也)



 愛の讃歌きよしこの夜、もろびとこぞりて、ささやかに星はきらめき、きたれ友よ、他 



 天満敦子の使用するバイオリンは世界一の名器職人、アントニオ・ストラディヴァリウスの晩年の逸品、価値がつけがたい名作である。弓もまた、巨匠ウージェーヌ・イザイ遺愛の名弓。 彼女はこれでかつて吉祥寺在住の政治思想史学者、丸山真男が逝去した際の追悼会(信濃町駅、千日谷会堂)にて、シャコンヌを演奏なさったこともある。また、四ツ谷イグナチオ教会でも後方2階席から無伴奏で演奏なさったのを聴いたことがある。



 今回のコンサートは、目白の椿山荘前にあるカトリック教会の本部カテドラルがある聖マリア大聖堂が大改修工事を行う費用に供するためのコンサート。先に逝去した黒川紀章の恩師でもあったカトリック信徒、丹下健三が設計した三角錐のような非常に高い屋根が特徴の聖堂である。上部から見ると十字架に見えるようになっており、また、布地のテントを引っ張り上げたような曲線を多用したコンクリート作りである。



 機能性、耐久性は二の次に回し、高度に芸術性を追求して設計、施工されたことが災いしてこの聖堂は保守管理にたいへんな費用が掛かる。雨漏りを修復することが主目的だが、特殊な形状と高い屋根という特質上、聖堂を全て鉄骨のやぐらで囲んで覆わねばならず、これが8億円の費用となる。



 天満敦子(ATSUKO TEMMA)

 東京都出身。6歳からヴァイオリンをはじめる。現在、東邦音楽大特任教授。

 芥川賞作家、高樹のぶ子の小説『百年の預言』に登場する情熱の女主人公、走馬充子は天満敦子がモデルである。オランダ人のヘルマン・クレッバースを生涯の師と仰ぐ。