李忠成

86713ab8.jpg 李忠成の決勝ゴールで日本が優勝したアジアカップ。延長戦後半、みな足が止まるきつい時間帯に驚異のスタミナで左サイドを駆け上がった長友がきれいなセンタリングをあげ、それに李がノートラップで左足一閃、ボレーを打ち込んで芸術的に決まった得点。日本中が沸き立ったゴールである。先発FWの前田がさすがに延長に入って疲れが出たため途中交代で入った李。なかなか堅い豪のディフェンスを崩せなかったが、最後の最後で絶好球をものにした。豪のGKはシュウォーツァー。英国プレミアリーグで活躍する名キーパーで、豪が優勝すればMVPは彼に渡るはずだった。ノートラップで抜群のコースに決まったことでGKが一歩も動けなかった。



 この李、武蔵野市にあるユースのサッカーチーム、横河武蔵野FC出身。三鷹駅の北口にある横河電機本社前にあるグランドが本拠地で全国屈指の強豪。横河武蔵野FC出身の選手は多い。180cmを超える身長だが機敏な動き。小学生時代から横河武蔵野FC・ジュニアユースで活動していた。その後、都立高に進学するが、部活のサッカー部には所属せずにユース登録でFC東京U-18に加入している。その後、FC東京では花開かなかったが、移籍した柏、広島で活躍して現在に至る。



 李という名からわかるように彼は韓国籍だった。19歳以下の韓国代表に選出されたこともある。在日4世。国籍は韓国だが、東京朝鮮第九初級学校出身であり、実際は北朝鮮系列のコリアンだったようで両親を除く親戚らの猛反対を押し切って2007年、日本に帰化してその後、念願の五輪出場を果たした。韓国名はイ・チュンソン(이충성、Lee Chung-Sung)というそうである。