[]吉祥寺にふさわしい音楽

 吉祥寺は音楽溢れる町である。ジャズ、ロック、ポップス。軽音楽はいつ来てもどこかでやっている。今はなき野口伊織氏が作り上げた数々のジャズ喫茶(サムタイム、ファンキー、チャチャハウス)や、多くのライブハウス(曼荼羅、スターパインズカフェ、シルバー・エレファント)などが溢れる。赤いからす、Stringsなど他にも多くある。



 だが、クラシックとなると途端に数が減ってしまう。武蔵野市は市役所に近い中町に武蔵野市民文化会館があり、ここに武蔵野文化事業団がある。ここが年間通じて多くのクラシックコンサートを主催しているが、しかし、場所が吉祥寺と三鷹市とのちょうど中間にあるホール。「吉祥寺」という雰囲気とは少しずれる。



 本来、美しい音楽とは、老いも若きも関係なく人々を魅了するものである。クラシック音楽の敷居が高すぎること、その雰囲気がよそゆき過ぎることが根本的に問題だ、と思われる。



 吉祥寺にふさわしい音楽としてジャズ、ロック、ポップスなどではなく、クラシックが指を折って数えてもらえるようなそういう時代が来る日を願っている。だれもやらないならば私がやってやれ、ということで無謀を承知で行なった「吉祥寺のクリスマス」が予想外の好評だったことで、手ごたえをつかんだ。



 これを繰り返していけるかというとかなりしんどいが、私が感じていた直感はそうずれていない様な印象がある。上品で、静かで、穏やかなクラシック音楽の潮流をここ吉祥寺から少しでも発することができれば、と思う。



 22日に、駅前で「吉祥寺ファンタスティックナイト2006」という催しが行なわれていた。寒空の中、外で開催。ネオンやスピーカーの大音響で行なわれるこうした音楽は、個人的に私はあまり好きになれないが、人だかりはたくさんあって盛況だったようだ。この催しは歴史が長く、あの高田渡さんもかつてこれで歌ったことがある。



 吉祥寺ファンタスティックナイト2006

 12月22日(金) 吉祥寺駅前北口広場 イルミネーションのところ

 16:30〜19:30頃まで ○



 法政第一高ブラスバンド部  

 キッチン

 綿引京子とKNG

 ブリージング・バッズ

 北佳子

 川上順子 他