[]ピアノの調律

 ピアニストの中にはたいへん自らの音作りに繊細な感覚を研ぎ澄ませる人が少なからずおり、素人には考えられないような神経質な音作りに腐心する場合がある。その際たるものがピアノの調律。調律師も玉石混淆であるので、自分が演奏するピアノは必ずこの調律師に依頼する、という演奏家もいる。その人が調律しない限り演奏はない。



 昨夜、テレビ東京でピアニスト、仲道郁代の様子が放映されていた。彼女の調律や音作りにかける神経には圧倒される。20年来、弘中俊也さんというすでに初老の調律師のみが彼女の音作りを担当している。



 彼女が先日、20周年記念コンサートをサントリーホールで行った際には、何と愛用のヤマハグランドピアノを事前に弘中が調律し、それを東京コンサート企画が梱包、ビニールで包み真空パック、わずか6kmほどの距離であったがたいへんな費用と手間を掛けて搬送して演奏したのだった。仲道さんがヤマハと契約しているのか、そうであればヤマハのピアノ以外を使わないのかもしれない。サントリーホールにはスタインウェイD型、およびべーゼンドルファー・インペリアルというフルコンサートピアノが用意されているのにわざわざ外から持ち込むというのは高いチケット代でも売り切ってしまえるピアニスト以外にはできることではない。



 全国どこでも演奏会に行くならば弘中さんの調律を必ず入れることになっているそうだ。これほど神経質なピアニストであると、コンサートを頼む方も目がくらみそうな配慮、手配が必要になりそうに思われた。 



 私個人の好みとしては、音が狂っておらずそれなりに調律が為されていてきちんとした音が出るピアノであれば、ぶつぶつ文句をいわず弾ききってしまうようなピアニストの方が良い。国際的なコンクールや音大の入試、卒業試験をしているわけではない。

 

 ホールと契約している調律師はだいたい調律料金が高い。1台あたり90分から2時間前後で25000円から3万円くらい。格調あるホールならばもっと高い。標準ピッチで普通に調律するだけでホールの使用料を余分にかけた上でさらにこれがかかる。2台ピアノの連弾などとなればさらにその倍。こうした調律を入れてから実際のコンサート、となるとそれだけで費用も時間も手間も、想像以上にかかる。かくしてどんどんクラシック音楽は庶民から遠いものになっていく。



調律がピアノに必須であることにかわりはないので年に1度は少なくも調律を入れるべきだ、といわれるが、庶民ピアノ向けにコープとうきょうが格安の調律を行っているようである。

 

 グランドピアノは10500円。アップライトピアノが9000円。女性調律師の派遣も可。

 

 コープサービスとうきょう支店 月曜〜土曜・祝 9時半〜18時

 0120−37−9991 

 048−864−7271

  

 施工担当は 株式会社西部ピアノ

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