写真展 「津波が来た学校」

吉祥寺駅北口、吉祥寺通りに面した吉祥寺パルコの裏手にあるレンガ館2階「あーとらんだむ吉祥寺」にて、9月4日より、被災した宮城県石巻の湊小学校の現状を伝える写真展「津波が来た学校」が開催される。


 武蔵野市民で元高校教師の松田隆夫さん(65)は、震災で安否不明の小学校時代の友人・松村さんを探すため震災10日後に石巻に入った。松村さんは無事だったが、自宅は傾き、写真店を営む関係で被災した学校の卒業式・入学式の写真撮影、そして被災犠牲者の遺影の作成に追われていた。旧友との感動の再会後、松田さんは現地で震災ボランティアに加わり、避難所となっている「湊小学校」の佐々木校長と出会う。


 小学校が2000人の避難所として使われていて、学校が再開できないことを知り、生活のために子どもたちが犠牲になっている現状を見て、校長に申し出をした。学校再開のための支援を始め、休校していた2キロ離れた「住吉中学校」の空き教室を間借りして、5月9日より新学期を再開。津波で破壊されゴーストタウンとなった湊地区から、3台の大型バスを使った登下校が始まる。

 
 コースには職員が付き添い、時間に追われていく。子どもたち、職員たちに疲労が蓄積され、本格的に学校を支援する必要があると感じた松田さんは、東京の友人に呼び掛け7月初旬に、ボランティア団体「石巻・湊小学校を応援する東京の会(通称=東京サポート)」を立ち上げた。


 その後メンバーは現地に入り、子どもたちと遊び、学びながら接し、学校資料の回復・支援物資の整理に追われる教職員の業務支援などの活動を始める。メンバーは松田さんの友人・知人から派生し構成する14人ほど。教育関係者、介護関係者など、松田さんと同年代の方や大学生も含まれる。

 
 湊小学校の避難所では無断で被災者を撮影するカメラマンが多い中、自分からはカメラを向けなかったのが加藤さんだった。「写真を撮ってほしい」という被災者からのリクエストがあれば撮影し、無料でプリントを提供する。この写真が好評となり注文は増えていった。


 万全な応援態勢が組めず活動もまだまだ知られていない。ギャラリーのオーナーから『撮影した写真を展示したらどうか』と提案してもらい、校長先生の了承も得て写真展が実現している。

 
 ギャラリーはこの活動に賛同し、会場を無償で提供。石巻の松村写真館、加藤昌人写真事務所、東京サポートの3者で企画し、約200点の写真を展示する。


 開場時間は11時30分-18時30分。9月9日まで。

 あーとらんだむ吉祥寺
 
 180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-5 吉祥寺レンガ館2階

 TEL 0422-21-4467