[]ゾウのはな子 64歳 長寿記録残り1年

a40094ed.jpg 64歳の誕生日を迎えたはな子 武蔵野市 都立・井の頭自然文化園

 

 井の頭自然文化園武蔵野市)で飼育されている国内最高齢のアジアゾウ「はな子」が今月、64歳の誕生日を迎えた。国内でゾウの過去最高齢となる65歳まで残り1歳。少しでも長く健康に過ごしてもらおうと29日にお祝い会が開かれる予定。多くの来園者の参加を呼びかけている。



 はな子は、昭和24年にタイから上野動物園に来園し、29年からここ井の頭自然文化園で飼育。平成21年9月に同い年だった小田原城址公園(神奈川県)の「ウメ子」が死んだことで、現在国内で最も長生きしているゾウとなった。戦後直後の来日であり、正確な誕生日、誕生年がわからないため、元旦が誕生日という設定にされている。「ウメ子」とどちらが年上だったかは正確にはわからない。私は同年同日生まれだったと秘かに思うことにしている。



 はな子の吉祥寺生活は57年目。今も食欲旺盛で健康の問題はない。20年4月に死んだ神戸市立王子動物園の「諏訪子」は当時65歳だったが、これが国内最高齢記録。残すところあと1年である。



 「いつも笑っているような優しい目が人気の秘密」

 

「食事や運動量も適度で、心の面でも健やかな状態を保っている。死をみとるつもりだったが、自分が先に定年を迎えることになりそう。」



 と笑うのは先代の飼育員から引き継いで以降、この10年以上はな子を担当している飼育員、山川宏治さん(56)。



 戦災の傷を癒し、平和の象徴としてはな子は戦後初めて来日したゾウ。来園者の中には祖父母から孫の世代まで3代にわたる根強いファンもいる。私が幼稚園児、小学生遠足で楽しんだはな子がまだ生きている!というこの驚きの事実。



 今月29日に開かれるお祝い会では、はな子の好物のバナナやリンゴなど果物でつくられたケーキがプレゼントされる予定。はな子に関連するクイズも行われ、先着300人の参加者には特製グッズが贈られる。そこで園では、はな子へのお祝いメッセージを募集中。寄せられたメッセージは園内の掲示板に張り出されるほか、一部はお祝い会でも紹介される。



 問い合わせ 井の頭自然文化園

 (電)0422・46・1100